お顔の作り方
「おっぱい」、「おしり」と続いたので、今度は「お顔」すなわち頭部をメタセコイアで作ろうというモデリングチュートリアルです。今回はちょっと長いよ。なお、操作の基本が分かっているという前提で話を進めますのであしからず。
① 下絵となるものを用意する
下絵があればそれに越したことはありませんが、解剖学的に正しいとされる構成や配置は概ね決まっていますから、それに基づいてガイドを直接ラインで描いていってもいいでしょう。今回はそれでやってみます。
人間の頭蓋骨は、個人差はありますが、正面は側頭部の一部を除いて2x3、側面は3x3のグリッドにほぼ収まります。では図のように、頭部の正面および側面のアウトラインを描いていきます。それからアゴのラインを立体的に割り出します。ついでに耳のラインも。
眼球の分割数16x16。それをX軸に対して90度回転させます。位置関係はだいたいご覧のとおり。今回の眼は実際よりちょっと大きめですね。なお今回も、眼球を除いて、曲面(カトマル)を使用していきます。
② 頭蓋を作る
側面から見て、ガイドとなるグリッドの上下左右に接するように分割数12x8の球を作り、Z軸に対して90度回転させます。
球の側面部分を押し潰し、グリッド内にほぼ収まるように変形させます。また、「格子変形」を使って、上面から見て前方(額)が狭く、後方(後頭部)が広くなるように変形させます。
図のように、球の半分を少し斜めに削除します。頭蓋はほとんどの場合髪の毛で隠れてしまうので、この程度の分割数で充分でしょう。
③ まぶたを作る
まぶたとその周辺がどのような形状になっているかは、実際に鏡などで、自分の顔を観察して参考にしましょう。まぶたに限らず、これがもっとも参考になります。
正面からまぶたの形にラインを描き、「面張り」を使ってその前後に面を張り、「ナイフ」で分割しつつ形状を整えていきます。必要ならば、ふたえの部分を作り込みます。
④ 鼻を作る
側面のアウトラインの鼻の部分を引用し、鼻の穴、小鼻の脇といったモデリングの基点となる形状を揃え、それらを「面張り」と「ナイフ」、「面の生成」で徐々に繋ぎ合わせていきます。
鼻も自分のものがいちばん身近で参考になります。鏡を活用しましょう。
⑤ くちびるを作る
作り方は、まぶたのときと似ています。唇の形をラインで描き、「面張り」と「ナイフ」を使って作り込んでいきます。
口元の頂点群を密にし、すこし奥に引っ込ませます。これらの頂点はグループとして「選択を記憶」させておくと、後々便利です。
⑥ 統合する
頭蓋、まぶた、鼻、くちびるをひとつのオブジェクトにまとめ、それらを相互に接続していきます。近くてカンタンなところから繋げていきましょう。
繋げるとき、頂点のつじつまを合わせる際は、なるべく目立たないところでそれらを収束させましょう。また首の部分は、円柱を元にしてそれらしく形状を整えます。
⑦ 耳を作る
耳を最後に残したのは、髪の毛で隠れるなど必要ない場合もあるし、なにより作るのがなかなか厄介だからです。でも作る。
やり方はこれまでと同様です。基点となるラインから「面張り」、「ナイフ」、「面の生成」などを使って形状を作っていきます。とにかく実物をよく観察すること!
⑧ できました!
頭部と耳を接合して完成です。今回はリアル系でしたが、これがデフォルメキャラの場合であっても、やり方は基本的に同じです。
しかし、完成したとはいっても、自分の理想や好みが反映されているとは未だいえません。果てしなく修正を繰り返してそれに近づいていくという作業が残っているのです。
参考までに、これらの一連の作業状況をまとめたMQOファイルをアップロードしておきますね。
DATA : お顔の作り方